フォーム修得に困ったときに確認する、プロが観るポイント

トレーナーの大瀧です。

新しいエクササイズを習うときに、使う重さや回数だけでなく、
どのように動くのか?=フォーム(姿勢)も、トレーナーから詳しく教わると思います。

筋トレの効果を最大化するために、
「重さとフォーム、どちらか大切か?」といった論争が絶えませんが、

我々の考えとしては、両方大切です(笑)

フォーム(姿勢)は、適切なポイント(場所)に適切な負荷を与えるためだけでなく、
怪我などリスクを管理する上でも欠かせない要素。

トレーナーから教わっているその時は実践できるけど、
ひとりで練習する時に、なかなか再現できない…という時がありましたら、

これからご紹介する考え方、観るポイントを参考にしてみてください!

 

動かすところ、動かさないところを明確にする!

正しいフォームを再現しようとする時に、

「胸をしっかり張って…」
「お尻を後ろに突き出すように…」

といった、フォームの全体像を抽象的な表現から介入することが多いかもしれません。

悪いことではないのですが、どうしても表現がボヤッとしてしまうので、
再現したフォームも、できているような…できていないような…ということも。

抽象的な表現でフォームを明確に再現できない場合は、具体的な介入にシフトする必要があると思います。

その際にオススメするチェックポイントは、肩・腰・膝・足首…といった「関節」です。

これらの関節において、「どの関節を動かして、どの関節を動かさないのか」という視点でフォームをチェックしてみると、
問題が明確になり、自ずと改善ポイントも明確にすることができます。

頑張ってはいるけれど、毎回なんとなく実践してしまっている自覚がございましたら、
具体的なエクササイズを例に挙げて解説させていただきますので、このままぜひ読み進めてみてください。

 

皆さんが苦戦するエクササイズで具体的に解説!

文章での説明だと難しく感じてしまうので、ケーススタディとして、
よく皆さんが苦戦するエクササイズを例に挙げて、解説させていただきたいと思います。

ヒップアップ・脚やせでチャレンジする、こちらの種目↓

 

ルーマニアン・デッドリフトで、お話しを進めて参ります。

難易度が高く、フォーム修得までに時間を要すると言われているエクササイズですが、
こちらのエクササイズのフォームを、下半身の関節にフォーカスして分析していくと、

主に、
・股関節(脚の付け根)
・膝関節
こちらの2つの関節が大きく関与して参ります。

こちらのエクササイズの場合、
大きく動いてほしい関節は「股関節」で、あまり動いてほしくない関節は「膝関節」です。

もし、動いてほしい股関節が動いていなかったり、動いてほしくない膝関節が動いてしまうなどの矛盾が生じてしまうと、
正しいフォームの再現は、難しくなってしまいます。

上に添付した動画のように、ご自身の姿を横から観察して、
股関節が大きく動いているか、膝関節が動かずに我慢できているか、ぜひチェックしてみてください!

膝が固定され、お尻だけが後ろにスライドできると、こちらのエクササイズの再現性が高まると思います。

 

プロだけが知っている、身体の意外な法則

ちなみに、全身に260箇所ほどの関節があると言われていますが、
それらの関節は、もともと大きな動きに適している関節と、適していない関節に分類することができ、また、それらは交互に隣接しています。

図解すると、このような形です。

青く表されている関節が、大きな動きに適している関節で、
赤く表されている関節が、大きな動きに適していない関節です。

上記の考え方を、「Joint by Joint Theory(ジョイントバイジョイントセオリー)」と言いますが、
我々トレーナーは、このような身体の仕組みに基づいて、動作を解析し指導に還元しています。

先ほどの具体的な解説内容にも、こちらの考え方が反映されていますが、
理論に基づいたフォーム再現のポイント、少し難しい考え方ですが参考にしてみてください!